在留外国人の二人に一人が「外国人」という理由で入居拒否
敷金礼金や日本語の契約書に課題、政府サポート浸透に時間かかる
今年7月、法務省による外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の一環で外国人が円滑に入居するための具体的施策が出されるなか、226ヵ国16万人以上の在留外国人が登録している日本最大級のメディアを運営する、株式会社YOLO JAPAN(代表取締役:加地太祐、大阪本社:大阪市浪速区、以下「YOLO JAPAN」)は在留外国人会員に賃貸に関するアンケート調査※を実施しました。
同調査によると、家を探したことがあると回答した外国人のうち43%が外国人であることを理由に断られていることが分かり、外国人の住居探しへの課題が示されました。
※アンケート実施期間:2020年03月09日~2020年04月09日、回答者:84ヵ国695名のYOLO JAPAN会員
「自分で家を探したことがある」と回答したのは75%(520人)で、半数以上がインターネット(60%、313人)や不動産会社(46%、241人)を利用するなど自力で探しており、学校や会社を介しての住宅確保のサポートが少ない現状が浮き彫りになりました。特に多く利用されている物件情報サイトは、外国人向けに賃貸情報を公開しているスーモ、HOME’S、URが挙げられました。
自分で物件を探す必要のある外国人が多いことに対し、住居を探したことある回答者の内43%(225人)が外国籍であるという理由で入居を断られた経験があると回答し、次のような声が聞かれました。
「内見の際に気に行った物件がいくつかあったのですが、外国人だからという理由で貸せないと大家に断られました。」(インド、20代、女性)
「いくつか物件を内見して回ったのに、家に帰ったら電話がきて外国人にはサービスを提供しないと言われました」(アルジェリア、20代、男性)
「外国人の入居を受け入れており、綺麗で安い家賃の物件を見つけたので大家さんに電話しました。しかし話を聞いてみると、『日本に親がいなければ無理です』と言われました。日本に住んでいる外国人はほとんど一人暮らしだし、日本に家族がいるなら賃貸マンションなんて探さないのに。」(韓国、20代、女性)
更に、自分で物件を探した外国人の80%(366人)は物件探しが大変だったと回答しており、自国にはない敷金・礼金や鍵交換代などによる入居時の費用の高さ(47%、243人)や、難しい日本語で書かれた契約書で交わされる手続きの複雑さ(44%、231人)、日本語が話せない外国人にとっての言語面の不便さ(37%、194人)が挙げられました。このことから、日本特異の入居時に係る費用や手続きの説明の重要性が浮き彫りになりました。
また、借りる際に重要視するポイントとして、家賃が高くないことや駅から近いこと、家の周辺環境が整っていることのほかに、四人に一人が「外国人という理由で断られない」(25%)ことを挙げました。
政府より外国人の入居を受け入れる賃貸人や仲介事業者向けのガイドラインやガイドブックが多言語で作成・公表されていますが、説明が行き届いていないために外国人入居を拒否する賃貸人や多言語化されていない契約書に困難を感じる外国人が多い現状より、浸透にはまだ時間がかかりそうです。
YOLO JAPANでは昨年・今年に行った在留外国人の賃貸に関するアンケート調査結果を受け、日本で物件を探す外国人のために外国人向け多言語不動産情報サイト「YOLO HOME」を2020年8月12日に提供開始することとなりました。日本に住む外国人のより豊かな生活をサポートすることで、日本社会の労働力問題を解決し持続的な社会に貢献するためYOLO JAPANは引き続き尽力します。