受賞者
YOLO HOTEL MUSEUM フロントリーダー ニーマン・ラジカ様
2019年11月23日(土)に開催された「YOLO JAPAN FESTIVAL」で日本で働き活躍する外国人として、YOLO BEST WORKER AWARDを受賞したニーマン・ラジカ様を雇用する株式会社GRApP 野口 唯一様にインタビューを行いました。
-御社(㈱GRApP)では YOLO BASEでのホテル運営をきっかけに、本格的に外国人採用を始められたかと思います。実際に始めてみてから取り入れたアイデア等はありますか?
野口様:マニュアルに関しては、文字を多くするのではなく、なるべくビジュアライズすることを心がけています。写真、イラストを多く使って言葉が分からなくても大丈夫なように作っています。また、お互い日本語が上手でなくても、言葉以外のコミュニケーションを使うようにしています。例えば、朝「おはようございます。」と挨拶した後には必ずハイタッチをしています。お客様に驚きのまなざしで見られることもありますが、国境を越えて仲良くしていくことをとても意識していますね。
-文字に頼るのではなく、視覚を用いるという事ですね。
野口様:はい。フロントですと、どうしてもパソコンを使う事が多いのですが、「ここをクリックする」といったことも写真で分かるようにしています。最初は文字で説明していたのですが、それでは伝わり切らないという事が分かり改善しました。なるべくシンプルに分かりやすくすることを心がけています。その他には、LINEを通じてスタッフ間でコミュニケーションを取っているのですが、それとは別に Google のポータルサイトも使っています。そこにツールの場所や、業務に関する写真をアップすることで、いつでも確認できるようにしています。
-ポータルを見るタイミングは決まっているのですか?
野口様:今は決まってないのですが、これからは出社時に統一する予定です。LINEだと、どうしてもメッセージが流れてしまいますので、ポータルサイトはそういうときに便利ですね。
-外国人スタッフさんを面接する際の工夫はなんですか?
野口様:ホテルのモチーフが「Once in a lifetime experience」(人生一度きり)なので、当初は日本語をどれだけ話せるかを重視していましたが、実際に一緒に業務を行ってみると、日本語が話せなくても活躍できる仕事だと実感がしました。日本語の能力よりも、どれだけコミュニケーションが取れるか。コミュニケーションが苦手なおとなしい人であっても、この YOLO HOTEL MUSEUMで「こんな事をやってみたい」という野望があればいいですね。なのでコミュニケーション能力と、そういった野望を見るようにしています。
-野口さんの仰るコミュニケーション能力は、言語面以外の部分ですね。
野口様:そうです。YOLO HOTEL MUSEUMって日本であって日本じゃない環境なんですよね。そのような環境なので、日本語の良し悪しではなく、コミュニケーションが取れる人が重宝されるんですよね。現在、シフトのリーダーや支配人はいますが、役職に関わらず提案は自由です。スタッフからアンケートも取っていて、「今どれくらい働きやすいか」とか、「どんな事をやってみたい」といった事を聞くのですが、みんな書いてくれるんですよ。僕だったら適当にチェックして終わるよなぁと思うのですが、みんな思っている事を書いてくれますね。
-それは、外国人スタッフさんと働く方ならではの体験ですね。日本人はそこまで積極的にやらない事の方が多いですから。
野口様:例えば、スタッフルームは綺麗な方がいいとか書かれていて、「なるほど、綺麗にしないとな」という事もあったり(笑)。あとは皆の前では聞けない事も、そのアンケートでは聞けるので相談の場にもなってます。
-今後の課題として、外国人スタッフさんの定着についても検討されていると思いますが、その点に関してはどう思われますか?
野口様:思った以上に彼らが働きたい時間数を提供できていないということが、今の課題ですね。本当はもっと働きたいのに、希望者が多かったりすると、シフトが偏る事もあります。今のところはまだそのような声はスタッフから出ていませんが、今後起こりうる事として、シフトの偏りをどう改善していくかを考えています。一番の目的はお金だと思うので、最低限勤務時間を担保してあげないといけない一方で、曜日によっては人員が足りない日もあり、雇用すると更に人が増えてしまうので…。現在の人員計画の中で、いかにみんなが働きたい時間を確保できるかが課題ですね。
-新しい外国人スタッフさんが馴染みやすい環境づくりはどうされてますか?
野口様:一番初めに伝えているのは、「ここは上下も国籍もないから、なんでもやってみていい」という事です。ルールはありますが、積極的なミスは咎めません。お客様が楽しむ事に関しては自由にやりたい事をやるように伝えています。荷物を持ってあげたり、マニュアルには無くても自分がしたいと思ったら、それは応援するようにしています。
-貴重なお話をいただきありがとうございました。